経理に資格って必要なの?就職や転職に有利なおすすめの資格5選をご紹介!
経理の仕事って、企業にはかならず必要なポストですが、実際に就職するとなると、何か特別な資格は必要なのでしょうか?また、就職や転職をするときに有利な資格はあるのでしょうか?その辺のところを今回は掘り下げてみたいと思います。
経理に必要な資格とは?
経理って言葉はよく聞きますが、「どんな仕事か説明できますか?」と聞かれると、会計や財務との違いって、よく分かっていなかったりしますよね。経理の仕事をするのに要求されるスキルにはどのようなものがあるのか、また必要な資格はあるのか、就職や転職に有利なのはどんな資格か、などとあわせてご説明していきたいと思います。
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経理の仕事について
企業のお金を管理する仕事
経理のお仕事はごくごく簡単に言ってしまうと、企業の使ったり借りたり利益を上げたり、といったお金の流れを、帳簿に記入して管理することです。お金の流れ自体を管理するのは、後にも出てきますが財務の仕事となります。
経理の仕事内容とは
経理には大きく分けて出納業務、会計業務、そしてその他の付随業務があります。日常の出入金管理や伝票を整理してそれらを帳簿につけること、また決算表、貸借対照表、財務諸表などの作成業務まで行います。ざっくり言ってしまえば、帳簿を記入したり、会計用の書類を作成することが経理の主な仕事です。
財務や会計との違いは?
経理部という言葉はあっても、会計部や財務部という言葉はあまり聞かないように、会計の仕事や財務の仕事も一般的には経理という分野に含まれます(会計部や財務部を独自に置いている会社もあるにはありますが)。
すべて会社のお金に関する仕事を担当しますが、財務は会社の資金が不足しないように、外部から資金を調達したり、社内における金銭の流れが滞らないようにすることをその職掌としています。
会計業務は、金銭の収支や財産の変動などを報告するのが主な業務となります。経理はそれらの仕事をまとめて、すでに動いたお金の管理をする(決算書を作成する)ことがその職掌となります。
資格がなくても大丈夫
企業における経理の仕事は、税理士さんや公認会計士さんのように、国家資格を取ってスペシャリストにならなければできない類のものではありません。
基礎的なパソコンのスキルや、社会人としての一般常識とコミュニケーション能力があれば誰でもできる仕事ですが、後述するような資格があると、入社や転職の際に有利にはなるようです。
経験内容が重視される仕事
スポーツや音楽もそうですが、仕事もキャリアを重ねることによって(通常は)ステップアップしていきます。だから、初めは未経験者でも資格がなくても、何年も経理の業務に携わることによってスペシャリストになっていきます。
仮に経理の仕事に転職しようと思っても、全くの未経験者だと相手にされないでしょう。その場合には、後述するような資格や、今までのキャリアが問われることになります。
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就職・転職に有利な資格
簿記
簿記とは読んで字のごとく、帳簿を記すことです。会社の規模の大小や、業務内容を問わず、日々のお金の流れを計算して、整理、記録し、現在の会社の財政状況や赤字なのか黒字なのかを明らかにすることを目的としています。
簿記がなぜ重要なのかというと、ただ単に帳簿を記入できるようになるというだけのことではなく、企業の経理業務に必要な会計の知識が身に付きます。また、財務諸表や貸借対照表の数字から、会社のお金の流れや経営について分析したり、基礎的な経営管理能力が身につくようになります。
さらには、ビジネスの基本である「コスト感覚」が身につくことで、コストを意識した業務を行うことができるようになるので、社会人としての基礎的な能力の向上につながります。
小さな会社の場合には専門の部署がないことが多いですが、大きな会社になると総務部というのがおかれます。事務職を統括する仕事を担当しますが、簿記の能力はここでも力を発揮してくれます。簿記はどこの国でも、どんな会社でもかならず必要とされる能力なので、勉強しておいて損はありませんし、キャリアアップや転職を考えた際にも強い味方なってくれるのでおすすめですよ。
ファイナンシャルプランナー(FP)
昔は作った物と物を交換したり、貨幣経済が成立してからは、お金で必要なものを買ったり、生産物や余剰なものを売ったりと、ごくシンプルな経済活動が営まれていました。それが現代では、不動産に投資をしたり、先物取引をしたり、株の売買を行ったりと、お金がお金を生む世の中になっています。
そういった時代に合わせて生まれたのがファイナンシャルプランナーというお仕事です。ファイナンシャルプランナーはその名が表すごとく、ファイナンス(資金・金融)をプラン(計画)することをその職掌としており、クライアントの要望にこたえてプランニングを行ってくれます。
ファイナンシャルプランナーの扱う領域は、投資はもちろん、住宅ローンや教育ローン、不動産や相続、節税などの税金対策まで幅広い分野にわたっています。そのため、ファイナンシャルプランナーの資格を取っておくと、経理業務はもちろんのこと。銀行や保険、証券などの金融関係の仕事や、住宅メーカーや不動産仲介業などの業界でも、仕事をするうえでの強みとなります。
ファイナンシャルプランナーには、国家資格であるファイナンシャルプランニング技能士と、民間の資格であるAFP、CFPの2つのタイプがあります。ファイナンシャルプランニング技能士は、優しいほうから3級、2級、1級と分かれています。さらに、ファイナンシャルプランニング技能士が、知識をブラッシュアップするために、AFPやCFPを取得することもあります。
税理士
税理士の仕事は、「税」という言葉が付いていることからも分かるように、企業や個人事業主、不動産の所有者の税務を代行したり、節税のアドバイスや確定申告書の作成をすることが主な職掌となっています。また、贈与税や相続税の申請を代行したりもします。
中小企業や零細企業を相手にする仕事がほとんどで、税務の代行はもちろんのこと、節税のアドバイスをしたり、財務面の指導をしたりと、税法を知った上でいかにして企業にお金を残すか、また融資を受けるかということが、その業務の根幹となっています。
また、税務調査に対して顧客の権利を守るのも大きな仕事です。税務調査と聞くと、昔あった映画の「マルサの女」を思い出して不安になる40代後半以降の人もいるかと思います。そういった顧客に安心感を与え、顧客の主張に沿った展開に持っていくのも税理士の大きな仕事です。
税理士は国家資格なので、税理士になるには年に1回実施される試験に合格しなければいけません。例外として、弁護士や公認会計士の資格を有している人は、税理士試験は免除されます(ただし、租税又は会計に関する所定の事務に2年以上従事している必要があります)。
受験資格は大学や短大を卒業している人や、一定の専修学校の専門課程を修了した人で、で法律学や経済学の単位を1科目以上履修していることなどが挙げられます。
大企業ならいざ知らず、中小企業や零細企業に至っては、顧問税理士を雇うような余裕はないところも多いので、このような資格を持っていることは、就職や転職に有利になることが間違いないと言えそうです。
会計士
公認会計士と税理士と、なにが違うのかというのはよくある質問ですが、公認会計士さんに言わせると、税理士よりも公認会計士の方が格が上だということです。ところが、世間的な認知度としては税理士さんの方が上に思っている人が多いようで、「税理士の仕事って何をするの?」と聞かれることはあっても「公認会計士の仕事ってどんなもの?」と聞かれることが少ないことからも、その認知度の差が表れています。
なぜ税理士の方が公認会計士よりも上のように思われているかというと、税務に関することの方が一般の市民や中小企業、零細企業にとって親しむ機会が多いからだと目されています。しかし、三大国家資格といわれているものは、医師、弁護士、そして公認会計士であり、税理士も国家資格ではありますが、試験の難易度は公認会計士の方が高いとされています。
また、公認会計士は税理士登録をすることで税理士の仕事が出来るのに対し、税理士は公認会計士の試験に別途合格しないと、公認会計士になることはできません。この差を見ても、公認会計士の方が格が上だということが分かるかと思います。では実際に公認会計士の仕事がどんなものかというと、その名の通り、会計に関する業務を行うことです。
最も重要な業務は、企業の会計を監査することです。税理士さんが顧客に寄り添って税務の対策をするのに対して、公認会計士さんは第三者の立場から、会計の適法性や正確性を監査するのが仕事なので、顧客の要望に応えることが仕事となっている訳ではありません。
では公認会計士は企業にとって恐るべき存在なのかというとそうではなく、その企業の会計が法にのっとって正確に行われているお墨付きを与えることによって、投資家の信頼を得るという重要なメリットがあるのです。こういった仕事が出来る公認会計士の資格が、経理の仕事にとって強力な武器になることは間違いありません。実務経験を積んでいれば、転職をするにあたっても引く手あまたでしょう。
英文会計簿記
現代のグローバル社会においては、企業の国際化がどんどん進んでおり、日本の企業でも親会社が外国資本であることも珍しくなくなってきました。そのような企業では、将来的に国際的な会計基準である英文会計簿記が導入されるのではないかと目されています。
外国の人と英語でビジネスのコミュニケーションが出来るのが就職や転職に有利になるのと同様、国際化社会では英文会計簿記が就職や転職に有利になることは間違いないでしょう。英文会計簿記を一覧でご紹介すると、BATIC(国際会計検定)とU.S.CPA(米国公認会計士)、さらにはUSGAAP(米国会計基準)、IFRS(国際会計基準)があります。
英文会計簿記で一番有名なのはBATIC(国際会計検定)です。英文簿記と国際会計理論の2つの項目を、合否ではなくスコアで採点します。その点はTOEICと似ていますね。U.S.CPA(米国公認会計士)との方は、合否判定で資格が付与される点がBATICとは異なる点です。アメリカの資格ではあっても、キャリアアップにつながるということで受験される人も追いようです。
税理士や公認会計士と同じように、英文会計簿記の場合も、大企業はともかく、その他の企業に専門の科などはありません。経理の仕事をする上でこういった資格が有利になることは明らかでしょう。
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簿記検定について
簿記検定は主に2種類ある
簿記の資格には大きく分けて2つの系統があり、いわゆる日商と言われる「日本商工会議所」主催の簿記資格と、全商といわれる「全国商業高等学校協会」主催の簿記資格があります。
日商の簿記検定は、主に大学生や社会人を対象とした簿記の資格検定で、全商の方は、商業高校の高校生を対象にした簿記の資格検定となっています。さらには、「全経」といって、「全国経理教育協会」主催の簿記資格があり、こちらの方は経理専門学校生を主な対象とした簿記の資格検定になっています。これを含めて3種類と分類するケースもあります。
資格は1〜4級まである
一般に簿記の資格といった場合は、日商簿記のことを言います。なぜなら、全商や全経に比べて、日商簿記の方がハードルが高いので、企業の方もこちらの方を基準にしているからです。
試験には1級から4級まであり、3級や4級は入門編と言えます。ただ、実務で求められるのは日商簿記2級以上であることがほとんどなので、経理の仕事に活かすのであれば、2級以上の取得を目指しましょう。
簿記2級までなら独学可能
簿記の試験は2級までであれば独学でも合格が可能であると言われています。もちろん、1級になると独学では合格不可能という訳ではありませんが。ただ、日商簿記2級の合格率が47%であるのに対し、1級になると10%という狭き門となってしまうので、1級を受験する人は、専門の学校に行くことが多いようです。
また、資格試験も年々難しくなっていると言われますが、実際は前年の問題を勘案して試験問題が作成されるので、ブランクのある人にとっては難易度が増しているように感じらるようです。こつこつ勉強して、過去問にもチャレンジし、毎年受験をするような場合は、1級の試験であったとしても、必ずしも独学で合格できないということはありません。
資格学校も多い為学びやすい
日商簿記を受験する人の中には、専門学校に通う人もたくさんいます。日本には簿記の専門学校も数多くありますが、有名どころとしてはTACや大原が挙げられます。
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経理の給料
高収入の人も多い!?月収
経理の月収の平均は197,925円程度で、およそ80%の人が月収20万円前後といわれています。一方で7%強が月収30万円以上と、ほかの職種に比べて高収入な人も多いのが特徴です。
資格アリはやっぱり有利な年収は?
経理の年収は平均すると277万円程度だと言われています。ただ、資格を持っていると別途手当がついたりしますし、勤続年数が長くなれば、給料も上がります。
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経理に資格は鬼に金棒!
経理をする上でどんな資格が有利になるのかを見てきました。どんな会社にも必要な経緯職ですが、やる気次第では給料が上がったり、転職に有利になることが分かって頂けたかと思います。
特に簿記の資格は、独学でも取得可能なので、向上心がある人はコツコツと勉強して資格をとるといいですよ。企業によっては、手当がつくこともありますし、簿記1級を取れば、税理士試験への挑戦も可能になりますから。
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